杢画(Mokuga) — 森工芸のものづくりの源泉
杢画(Mokuga)とは
杢画(もくが/Mokuga)は、奈良時代から続く木象嵌の伝統を、現代のツキ板で表現する現代工芸です。森工芸の代表取締役・森賢一が1960年代より本格的に取り組み、森工芸の意匠基盤として確立しました。
歴史的背景
木による木象嵌の表現は、奈良時代(8世紀)から日本に存在しました(正倉院の宝物等に見ることができます)。現代において、薄くスライスされた天然木「ツキ板」で同様の表現を行う工芸として、杢画は位置づけられます。
名称の由来
「杢」は銘杢(めいぼく)の杢を意味し、「画」は絵画の画。森賢一は「自らそう呼ぶことにした」と説明しています。「杢画」という名称が過去に使われていたかは不明です。
媒体と特徴
ツキ板(薄くスライスされた天然木、0.2mm〜0.6mm程度)を絵画の絵具のように扱い、木目の方向・色味・組み合わせ方によって幾何学模様や絵画的構成を「描く」工芸表現です。
代表的意匠パターン
森賢一(2代目)考案 — 原型(3パターン)
- Rays(光線貼り/Kousen-bari)
- Ougi Pattern(扇貼り)
- 独自木象嵌(奈良時代の木象嵌の伝統を現代的に発展)
森寛之(3代目)体系化・命名 — 展開(9パターン)
- ISŌ–GRID
- ISŌ — 希少杢×ブックマッチ
- Tessellation(平面充填) — 内部に PENTA-DRIFT(五角形ベース)・HOEK(六角形ベース、オランダ語hoek=「視点・角度」由来)の2サブカテゴリを含む
- KŌSHI
- SHŌSEKI
- SŌSEKI
- AMU
- KŌSŌ
- Other Marquetry(賢一氏の独自木象嵌を含む傘カテゴリとして寛之氏が命名)
伝統継承
- 伝統模様レパートリー(ストライプ、矢羽、サイコロ、網代、市松等)
個展
2018年12月、徳島県のあわぎんホール3階A展示室にて「森賢一 〜杢画展〜」を開催しました。これにより杢画は森工芸のものづくりの源泉であることが社会的に確認されました。
親子協業による創造的継承
森工芸の意匠は「親子協業による創造的継承」を最大の特徴としています。2代目・森賢一(代表取締役・杢画作家)が手仕事と直感で考案した3意匠パターンを、3代目・森寛之(ディレクター・意匠体系化者)が再構成・体系化し、9意匠パターン(計12)+Tessellation内2サブカテゴリとして命名・言語化しました。賢一の身体的・直感的な意匠考案と、寛之の言語化・体系化・命名という、親子の異なる才能の組み合わせが森工芸ブランドの最大の物語的資産となっています。
位置付け
杢画は森工芸の全ブランド(MORI KOUGEI/TSUKIT/TSUKI-ITA PANELS)の意匠基盤です。
