神代ニレとは|埋もれた時を伝える、落ち着いた色の木材
木材辞典
神代ニレは、長い間埋もれていたニレ材として扱う販売名です。森工芸では、落ち着いた灰緑色から青灰色の表情を持つ材として案内しています。ニレという木の種類に、「埋もれていた時間」という来歴が加わった素材です。

掲載写真は、その樹種・杢の色味や木目を知るための一例です。天然木は一枚ごとに表情が異なり、写真と同じ色味・木目のものが届くわけではありません。
名前の基本情報
- 販売名の意味
- 神代ニレ。ニレ材の樹種名に、神代材という来歴を示す言葉を加えた名称。森工芸 神代ニレ A4ツキ板シート
- 分類
- ニレ科ニレ属(Ulmus)の材として扱う販売区分。個別種の学名は未特定。森工芸 神代ニレ A4ツキ板シート / 北海道立総合研究機構 林産試験場「ハルニレ・オヒョウ」
- 埋没年代
- この商品の年代測定値は確認されていません。森工芸 神代ニレ A4ツキ板シート
- 販売上の木取り・色区分
- 柾目。商品説明では灰緑色(青灰色)を案内。森工芸 神代ニレ A4ツキ板シート
「神代」は、新しい樹種の名前ではない
神代材は、土中などに長期間埋もれていた木が掘り出され、材として扱われるときの呼び名です。神代ニレという名も、普通のニレとは別の植物種を意味するのではなく、材の来歴を含んでいます。神代スギのように、ほかの樹種にも同じ言葉が使われます。森工芸 神代ニレ A4ツキ板シート / 秋田県立大学「鳥海山の山体崩壊により埋没したスギ材の研究」
一方、「神代」という名称だけでは、何年前に埋もれたか、どの災害や環境が原因だったかまでは決まりません。森工芸の商品についても、具体的な年代の数値を付け加えず、確認できる材名と表情から紹介しています。森工芸 神代ニレ A4ツキ板シート
埋もれた木は、色にも違いが現れる
秋田県の鳥海山周辺で発掘された埋没木を調べた研究では、クリが黒色、ケヤキが深緑色など、同じ樹種の現在の材とは違う色が記録されています。この研究が示すのは、長い埋没を経た木の色には、樹種によっても幅があるということです。工藤佳世ほか「鳥海山山体崩壊による埋没木の樹種同定と材色」木材学会誌65(2), 2019
この研究の試料は本商品のニレではありません。神代材なら必ず同じ灰色になる、と考えるのではなく、一つずつの材の色を楽しむ手がかりになります。商品名だけで着色の原因や材の強さまで決めつけず、使用する面を見ながら選びます。工藤佳世ほか「鳥海山山体崩壊による埋没木の樹種同定と材色」木材学会誌65(2), 2019 / 森工芸 神代ニレ A4ツキ板シート
ニレの木目を、違う色調で楽しむ
ニレ類の代表であるハルニレは、年輪が明瞭な環孔材です。家具や器具、太鼓の胴などに使われてきました。神代ニレでは、そうしたニレの名につながる木目と、通常材とは異なる色の組み合わせに目を向けると、選び方が分かりやすくなります。北海道立総合研究機構 林産試験場「ハルニレ・オヒョウ」 / 森工芸 神代ニレ A4ツキ板シート
森工芸では、普通のニレと神代ニレを別の商品として扱っています。明るい材との色差をつくりたいのか、落ち着いた一面にまとめたいのかで、候補を比較してみてください。灰色に見える材でも色味の違いはあり、同じ名前ならすべて同色というわけではありません。森工芸 神代ニレ A4ツキ板シート / 森工芸 ニレ A4ツキ板シート
来歴のある材を、薄い表面に
A4シートは210×297mm、厚さ約0.25mm。天然木ツキ板に工業用和紙を裏打ちした素材で、柾目を取り扱っています。家具の木口面、木質平面の補修や貼り替え、木象嵌などに使えます。埋没材のかたまりではなく、貼って表情を生かす製品です。森工芸 神代ニレ A4ツキ板シート
下地と接着方法、必要な寸法を先に決め、仕上げ後の色を小さな面で確認してから進めてください。複数枚を使うときには、色味や木目をそろえる希望も含め、用途を添えてご相談ください。森工芸 神代ニレ A4ツキ板シート
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