和紙貼りツキ板シートの貼り方
のりの付いていない和紙貼りツキ板シートを、接着剤とアイロンで平らな木質下地に貼る方法です。粘着付きタイプや、合板に貼り付け済みの商品は対象外です。
1. 下地を確かめて整える
森工芸では、ベニヤ・MDFなどの木質平面で施工を確認しています。下地が平らで清潔な状態かを確認し、ほこり・油分を取り除きます。 その他の素材や塗装済みの面への適合性は、接着剤メーカーの案内と使用条件を確認してください。
2. 木目を決めて仮合わせする
木目の向きや継ぎ目を見ながら仮合わせします。本施工の前に、実際に使う下地・材料と端材で試し貼りをしてください。
3. 接着剤を両面へ薄く塗る
接着剤CH7WNを、和紙貼りの裏面と下地の両方へ、薄く均一に塗ります。木の表面には塗らないでください。
4. 接着剤を乾かす
接着剤が乾き、白から透明になったことを確認します。
5. 少しずつ霧を吹き、アイロンで貼る

乾いた接着剤を中心に、霧を少しずつ吹きます。透明だった接着剤が白くなり、ベタつく状態が目安です。アイロンは中温を目安に、動かしながら貼り付けます。
木は水分で膨らみ、熱で縮みます。濡らしすぎや、同じ場所への加熱の続けすぎに注意してください。高すぎる温度は、白っぽい木を焦がすことがあります。
スチーム
霧吹きで湿らせるため、スチームは必須ではありません。材料の状態に合わせて使うこともできますが、水分を与えすぎないようにしてください。
当て布
杉などの柔らかい木では、アイロンによる小さな擦り傷を防ぐために当て布が役立ちます。白っぽい木の汚れ防止にも、清潔な当て布を使えます。 当て布を挟むと熱が伝わりにくくなります。端材で接着の状態と焦げが出ないことを確かめ、必要に応じて温度を少しずつ調整してください。
6. 浮きを確かめて貼り直す

接着後、木の表面へ軽く霧を吹きます。接着できていない部分は浮いてきます。 浮いた部分は低い温度で、アイロンを動かしながらじっくり当て直します。再び表面へ軽く霧を吹き、浮きが出ないことを確認してください。 浮きがなくなったら、乾かしてから研磨へ進みます。浮きが残る場合は、研磨・塗装へ進まないでください。
7. 木目に沿って研磨する

#240〜#500程度のサンドペーパーで、木目に沿って研磨します。数字が大きいほど目が細かくなります。 汚れや小さな擦り跡は#240を目安に軽く落とし、その後は好みの細かさで仕上げます。ツキ板は薄いため、削り抜かないように力を加減してください。
研磨粉は掃除機で吸い取るか、エアダスターで吹き飛ばします。細かい白い粉が少し残っても、塗装後に目立ちにくくなる場合があります。塗装前の除塵・下地処理は、使う塗料の説明に合わせて行ってください。
8. 仕上げを選ぶ
接着・乾燥・研磨を確認してから仕上げます。まず端材で、色の変化と仕上がりを試してください。
蜜蝋ワックス
木の手触りを生かす、やわらかなつやの仕上げです。薄く塗り、余分を乾拭きする手軽な製品があります。軽い汚れや水滴をはじく効果がありますが、水滴は早めに拭き取ります。配合・性能は製品で異なります。
オイル仕上げ
木の風合いや手触りを生かす仕上げです。薄く塗り、製品の説明に従って余分を拭き取るなどして仕上げます。拭き取りの要否や塗り回数、色・つや、水や汚れへの強さは製品によって異なります。
ウレタン
表面に塗膜をつくり、水や汚れへの強さを重視するときの選択肢です。「下塗り→乾燥・研磨→上塗り」は一例で、別の下塗り材が不要な製品もあります。
耐水性は、防水や水への浸け置きができることを意味しません。塗る回数・乾燥時間・使用できる場所は、各製品の説明に従ってください。
油を含む塗料・ワックスが付いた布は、重ねて放置すると自然発火のおそれがあります。使用後は製品の指示に従い、すぐに十分な水に浸して処理してください。
9. 接着剤CH7WNについて
CH7WNは、コニシがツキ板の接着用として案内する酢酸ビニル樹脂エマルジョン形接着剤です。本ガイドでは、森工芸で施工を確認している、ベニヤ・MDFなどの木質平面への貼り方を紹介しています。
この霧吹き・アイロン施工は森工芸の方法です。メーカー資料に記載された別の施工条件での耐水・耐熱性能を、本施工法へそのまま当てはめて保証するものではありません。コニシ公式資料
10. 仕上がり・施工に関するご案内
仕上がりは下地の状態・施工方法・使用環境によって異なります。本ガイドはすべての施工条件での仕上がりを保証するものではありません。当社に責任のない施工上の不備に起因する補修・再施工等の費用は負担いたしかねます。商品自体の不具合や当社の説明の誤りなど、法令に基づき当社が負う責任を免除するものではありません。
